抗がん剤は副作用が不安要素ですが、現在は副作用をおさえる薬や、副作用そのものが少ない漢方薬が開発され、一昔前と比較するとだいぶ改善されています。また、漢方を併用し体の内側から状態を改善することによって、より早期の完治も可能となりました。

抗がん剤の進歩

微笑む医師

副作用の少ない抗がん剤

抗がん剤と一口でいっても様々な種類があります。中には副作用の少ない抗がん剤もあり、昔に比べると人体に掛かる負担は大きく減りました。中でも副作用が少ないとされているのが分子標的薬と免疫・生体反応薬の2種類であり、この2つは従来の抗がん剤とは少し違った特徴を持っています。

□分子標的薬

分子標的薬は、抗がん剤の中でも新しいタイプのものです。従来の抗がん剤は「殺細胞性抗悪性腫瘍薬」と呼ばれるタイプのものであり、細胞分裂のスピードが早い細胞を優先的に攻撃するものでした。しかし、毛母細胞など細胞分裂が早い正常な細胞もがん細胞とみなされて作用するため、体の負担も大きなものでした。しかし、分子標的薬は細胞分裂のスピードではなく、がん細胞のみが持つ因子(特別なタンパクや酵素など)を標的に攻撃するため、正常な細胞に与えるダメージが少なくなります。

□免疫・生体反応薬

免疫・生体反応薬も、従来の抗がん剤とは違った作用をもたらす抗がん剤です。こちらは、がん細胞を攻撃するのではなく、体の免疫を活性化させる効果があります。人体には免疫細胞と呼ばれる細胞があり、がん細胞などの異常な細胞を攻撃するNK細胞も、免疫細胞の1つです。この免疫細胞を活性化させる「サイトカイン」と呼ばれる物質を用いているのが免疫・生体反応薬です。つまり、がん細胞を直接攻撃するのではなく、体を強化してがん細胞を自分の力で除去することが目的となります。そのため、副作用は少ないのですが、免疫・生体反応薬は基本的に従来の抗癌剤や手術・放射能療法と併用して使用されます。

抗がん剤の日帰り治療

一昔前は抗がん剤治療は副作用が強いこともあり、長期的な入院をすることがほとんどでした。しかし、近年では医療が発展し、副作用の少ない抗がん剤や、点滴ではなく飲むタイプの抗がん剤も開発されており、自宅で療養できることから、日帰り治療も可能になっています。そのため、自分の生活が維持しやすくなり、入院生活によって行動が制限されないため、患者のQOL(生活の質という意味)を保つことができます。しかし、別の見方をすれば入院していたほうがいざという時にすぐに対応できるということでもあり、一概に自宅療法が良いというわけではありません。

健康な体に戻す

漢方薬

漢方薬による治療

抗がん剤や放射線による治療はがんの規模によって副作用も比例して大きくなり、患者にとって大きな負担になることが多いです。しかし、これらに加えて漢方薬を併用することで術後の回復に大きな効果があることが確認されています。

西洋医学と東洋医学

手術や放射線、抗がん剤による治療は西洋医学、漢方による治療は東洋医学であり、この2つの治療法は特徴が全く異なります。西洋医学は原因を究明し、薬や手術で原因を排除することに重きをおいた治療であり、東洋医学は体質を改善して本人の抵抗力を高め、健康な状態に戻す治療です。これらの治療方法のどちらが優れている、劣っているということは一概には言えません。西洋医学は病気の治療に対して即効性があり、時間が経つごとに病状が進行してしまうがん治療のような病気に対しては絶大な効果を発揮します。しかし、病気の根絶のために薬を用いたり手術を行うため患者の体力は激しく消耗されます。一方、東洋医学は西洋医学のような即効性はないものの、体の状態を改善し、健康体にするという点では西洋医学以上に優れています。よって、がんを治療するときは西洋医学を用いて治し、術後は東洋医学で体を健康体にするのが重要だとされています。

漢方の使用は事前に医師に相談する

漢方には基本的に副作用はありません。しかし、その人にあった漢方薬でないと十分な効果を発揮することは難しく、服用してもあまり恩恵を得られないかもしれません。例えば、胃腸が丈夫な人と弱っている人では使用する漢方が同じものでも効果に大きな違いがあらわれれます。そのため、自分の状態を漢方に詳しい医師に診てもらい、体調を確認した後、自分にあったものを処方してもらうのが無難です。自分の体質に合わせた漢方薬を服用すれば、漢方薬の恩恵を十分に受けることが可能です。

漢方薬で肝臓がん予防

漢方薬を服用することでがん予防になるケースもあります。例えば、肝臓がんです。肝臓はB型及びC型肝炎ウイルスによって肝臓が炎症をおこし、急性肝炎を引き起こします。そして、急性肝炎は慢性肝炎や肝硬変などの病気になってしまい、これらを経て肝臓がんになってしまいます。実際に多くの肝臓がんはC型肝炎が原因だといわれています。そのため、肝臓がんを予防するためにはこれらB型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスから肝臓を守らなければなりません。また、感染した場合も体質改善をすることで肝臓内のウイルスを駆逐することができます。漢方薬の中には肝炎の改善に役立つものも多く、漢方薬を使用することでがん予防につながるケースもあります。

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